それは追憶になる前の話(杉山三袖「高山右近 細川三斎忠興の追憶」の二次創作)
氏郷は唖然とし、それから間もなく憤慨した。それは隣にいる友人に対してではなく、その友人の話す趣味の悪い噂話に対してでもなかった。それを真に受けて動揺しながらも、期待の眼差しを秘め空想してしまう自分に対しての怒りであった。「しかし、前田様と右…
その他 茶人・切支丹
歴史創作登場人物紹介(茶人編)
このページは並木満個人サークル「並木道ルードボーイズ」がイベントで常時配布している無料コピー本の中身です。この本は並木満が頒布している小説の登場人物紹介本です。歴史上の実在の人物をモデルにしておりますが、眉唾な胡乱を多分に含みますので、そう…
茶人・切支丹
わかちあうべきもの
どうしてこうなったのだろうか。初めは忠三郎が茶入の仕覆について相談があるとやってきたのが始まりだ。それについてはむしろ良いことだった。紐がどうだ、布がどうだと話すのは発見の連続であり、それでいて自らの審美眼を最大まで伸ばすことができるものの…
茶人・切支丹
家中たちから見た藤堂高虎という男
そもそもなぜ自分が破格の待遇で抱えられたかを実のところ詳しくは知らない。藤堂高虎と名乗る彼が、自分に何を望むのかを、元則はとんと知らなかった。嘘だ。きっと知っていたのだと思う。当時はまだよくわかっていなかったが、結局のところ自分に被さる運命…
江戸初期幕閣 茶人・切支丹
はじめてなのに
どうしたものか……と、右近は思案していた。この男となら情を交わしていいかもしれないと思ったのは右近で、なんなら誘いをかけたのも実は右近からだった。忠三郎からは誘いづらいだろうと思ってのことだったが、いざことに及ぶとなったとたんに、誘った手前…
茶人・切支丹
美味しそうに食べる男
もしも延俊という男を知らない人間に彼のことを説明する機会があるとしたら、忠利はどれくらいの時間で語りきれるか年々不安になってくる。最も大切なこと……というよりもこれだけは絶対に言い置くべき点として、彼はけして悪い男ではないということだけは最…
江戸初期幕閣 茶人・切支丹
人である意味
右近殿の信心は人よりも強くあられる。ある時そんな話をしたのだった。確か、右近がかつて領民の死に立ち会ったという話をしたからだと思う。しかもその死に立ち会うばかりか、葬儀においては自ら力仕事を請け負ったそうだ。高山右近という男は、信仰のために…
茶人・切支丹
思っていたよりも
右近殿はこういうことはお嫌いなのだと、忠三郎はそう自分に言い聞かせていた。互いの想いを打ち明けしばらく経つが、体に触れることは少なかったしまだ互いの素肌すら全てを知らない。忠三郎はまだ彼の許しをもらっていない状態だが……今更そんなことで落ち…
茶人・切支丹
二人して俺になんの恨みがあるんだよ、と与一郎は言ったそうです
その日与一郎は苛立っていた。出かける用事が先方の都合で急になくなり、届くはずの手紙は届かず、手慰みで削り始めた作りかけの茶杓は盛大に手元が狂ってだめにしてしまった。そういう日もあるだろうと楽観的な人間ならば思えるのだろうか。与一郎にはそうい…
茶人・切支丹BL,SS,歴史創作,細川忠興,茶人,蒲生氏郷,高山右近