山の井戸 互いに清い人間ではなかったと思う。長益は隠居し、有楽と名乗り、しばらく何もないことを楽しんでいた。周りは長益を良くも悪くも放っておかなかったが、時々何もない日があっては、思い出すのはけして清くはなかった連れ合いの話だ。不思議な男だった。別に… 2022-08-16古田織部,歴史創作,織田有楽
おどる長春花 #1 あの青空と僕らについて(あるいは与一郎と記憶を取り戻した康之の話)与一郎には記憶がある。振り切ろうにも消え失せない記憶が。それはある朝のことだった。あの最期の手紙を受け取った日。近日出向いたします……今でもそらで言える。実はこの記憶で… 2022-06-02古田織部,松井康之,現パロ,細川忠興,織田有楽,蒲生氏郷,高山右近