椿と芙蓉の恋
長益は初陣の際、戦とは関係のないところで馬から落ちて怪我を負った。このことは周りの人間を呆れさせ、それなりに失望もされたのだが、その後は彼の人柄もありなんだかんだ笑い話になっている。長益は一見口少なさそうな男に見えるが、話すと適度な毒をもつ…
古田織部,古田重然,歴史創作,織田有楽斎,織田長益,茶人
山の井戸
互いに清い人間ではなかったと思う。長益は隠居し、有楽と名乗り、しばらく何もないことを楽しんでいた。周りは長益を良くも悪くも放っておかなかったが、時々何もない日があっては、思い出すのはけして清くはなかった連れ合いの話だ。不思議な男だった。別に…
古田織部,歴史創作,織田有楽
おどる長春花
#1 あの青空と僕らについて(あるいは与一郎と記憶を取り戻した康之の話)与一郎には記憶がある。振り切ろうにも消え失せない記憶が。それはある朝のことだった。あの最期の手紙を受け取った日。近日出向いたします……今でもそらで言える。実はこの記憶で…
古田織部,松井康之,現パロ,細川忠興,織田有楽,蒲生氏郷,高山右近