歴史創作登場人物紹介(茶人編)

このページは並木満個人サークル「並木道ルードボーイズ」がイベントで常時配布している無料コピー本の中身です。

この本は並木満が頒布している小説の登場人物紹介本です。
歴史上の実在の人物をモデルにしておりますが、眉唾な胡乱を多分に含みますので、そう言うものだと思って読んでくださると幸いです。これが史実なわけがなかろう。そういうことです。
あくまで並木の小説上はこう言う設定でこういう感じだよということをご了承の上、参考程度にとどめてくださると幸いです。
全体的にふざけ散らしてますが、小説本編は真面目に頑張ってます。
最終ページに参考文献(小説を書く際によく並木がネタ元に引用している本)を置いておきますので、もし気になった方はぜひ読んでみてください。そして仲間になってください(本音)

蒲生氏郷(がもう うじさと)

1556年生まれ/1595年没
近江日野が生んだ麒麟児。洗礼名はレオ(またはレオン)並木の小説では「忠三郎(ちゅうざぶろう)」表記が多い。
幼少期、親の戦争の都合で織田家に人質として仕える。親の仕事の都合で転校したみたいな言い方をするな。そこで織田信長に気に入られ、信長の娘・冬姫と結婚。
1586年ごろ高山右近の布教により切支丹になった。その後太閤秀吉に疎まれ会津若松(当時会津黒川)に飛ばされたり、隣国の伊達政宗と小競り合いが起きたりしたが、よその家ではやっていけなかった人材を立て直すのが得意だったらしく、20年位前の2ちゃんねるでは「蒲生再生工場」、転じて「蒲生工場長」と呼ばれていた。野村克也かよ。ささやき戦術が強い蒲生氏郷ってこと!?
史実では様々なエピソードがあり、中でも並木のお気に入りは会津の寒さにやる気をなくした家臣たちの士気を上げるためにまさかの裸に甲冑という戦国時代の裸エプロンみたいなことをやって盛り上げたやつ。殿の裸エプロンで盛り上がる蒲生家中とは。
育ちがよく和歌に造詣が深い。茶の師は千利休だけど、歌は逆に教えたりもしたそうな。茶のつながりで高山右近に目を付けられ、布教されることになる。どうも最初は乗り気ではなかったが、改宗に至ると「右近を昼夜問わずに追い回し教えを乞うた」そうです。夜はちょっと。
これからというところで病気になり、39歳の若さでこの世を去る。

並木満の作品内では実直な文武両道ガッツマン。多少の狡猾さはあるけど、全面的にいいあんちゃんで書いてます。裸鎧も善かれと思ってやったんだろうという解釈です。善かれと思うなよとは思う。それはそう。
右近のことが好きですが、どうも本人を前にすると持ち前の男前な雰囲気が出せず、挙動不審で可愛くなりがち。誰だ本命童貞って言ったやつ。忠興のことは良き親友、というか、話の波長が合って助かるなあと思っている。
並木が書く小説は多くの場合で氏郷が右近に恋情抱いていることを忠興だけは知っており、よく相談しているということになっている。忠興は実は氏郷のことをほんのり好きなのだけど氏郷はそれに一切気が付かない。忠興が隠すのがうまいということもあるけど、氏郷も氏郷でそう言う面で鈍感主人公を爆裂させている。
だからこそ忠興が自分に向けている気持ちに気が付くと「すまなかった」「取り返しがつかないことをしてしまった」と謝り倒す節がある。忠興はそれを聞いてもちっとも溜飲が下がらない地獄。

小説ではなくネタ枠としては、出身の滋賀県日野町が堤グループの界隈であるため近江鉄道や近江バスが西武グループであること、洗礼名がレオであるという理由で並木の中では勝手に埼玉西武ライオンズファンということになっています。西武ドームの球場命名権をもつベルーナのマスコットキャラクター「べるーにゃ」に対抗意識を燃やすがもにゃん(日野町マスコットキャラ。詳しくは検索を)という存在しない話もでっちあげがちです。マジにとらないでほしい。東北楽天ゴールデンイーグルスファンの伊達政宗とはよくケンカしてますが共通の話題も多いので結果的に仲はいいんじゃないかと思います。今も「岸孝之返せやゴルァ!」などとご機嫌な挨拶をしている。
並木の創作では死因を大腸・直腸がんで推定して書いています。毒殺説は採用する気はないです。

ゆかりの地は滋賀県日野町、三重県松阪市、福島県会津若松市。京都の大徳寺黄梅院と会津若松にそれぞれお墓があります。

高山右近(たかやま うこん)

1552年生まれ/1615年没
右近は通称。本名は重友説をとっていますが、他に長房・友祥など。キリシタン大名と言えば、でわりと早く名前が挙がる男。
熱心な禅宗門徒だった実父が伴天連にダンガンロンパするつもりが返り討ちにあって改宗し、その流れで小児洗礼したようで、言うてしまえば宗教二世的な立ち位置だったりする。
20歳前後で仕えていた和田家を追い出して城を占拠し独立しているので、今回紹介するメンバーではほぼ唯一下克上を経験をしている。誰よりも戦国武将じゃん(?)
その後、荒木村重の反逆の際は村重を見限り織田信長に降伏。本能寺の変においては明智家から伴天連経由で救援要請が来たが、明智家劣勢を読んだ伴天連が日本語では「明智につけ」、ポルトガル語では「明智にはつくな」と暗号式にして送ったなどというかっこいい逸話がある。ローマ法王とのやりとりを見るに右近はポルトガル語の読み書きは出来た模様。
その後秀吉の伴天連追放令では地位と財産と信仰心と天秤にかけることになる。前述の氏郷は棄教をしたが、右近は信仰を棄てず一切の地位を捨てた。やべーやつじゃん、とたぶん秀吉も思ったと思う。九州などで潜伏後、前田利家に預けられる形で復帰。前田家の客将として活躍して小田原の陣では氏郷や忠興を招いて牛肉パーティもした。世にいう小田原BBQである
客将でありながら政敵がいたり城の縄張りを担当しているので、実際の地位はそこそこだった模様。カトリック系の史料だとかなり前田家で苦労したと書いてあるので、時期によるものもあるのかもしれない。少なくとも前田利長のもとではそれなりの生活をしていた。
しかし1615年に徳川家が出した禁教令で遂に国外追放を言い渡される。七尾から長崎に入り、1615年9月に出航。フィリピンのルソンに追放となった。この出航前に右近が細川忠興に送った手紙があまりにも色っぽので並木はずっと気がおかしくなっています助けてください。高齢で冬の海を渡ったことで熱病になり、ルソン到着後ほどなくしてこの世を去る。享年64歳。

なんかやたら高潔とか潔癖とか生真面目とか書かれがちなんですが、並木が書く右近も割とそちらよりでありながら、一方で自分ではそこまでそれを美徳と思っていない感じで書いています。周りから清らかさを褒められるたびに心が少し濁っていく、そんな感じです。氏郷の気持ちは気が付いていたり気が付いていなかったりする。
一部の作品ではアセクシャルだったり、アロマンティックだったりする。氏郷とのゆるい関係性は今後書いていきたい。
ゆかりの地は大阪府高槻市、兵庫県明石市、小豆島、熊本県宇土、石川県七尾市。このうち高槻市に2つ、七尾市に1つ銅像がある。
ラレウスの右近研究がすごいのでぜひ読んでほしい。大河ドラマ「軍師官兵衛」で生田斗真が右近のビジュアルとしてかなりの正解をだしてしまったので(中身はもう少し狡猾だといいなー)、2014年の並木は死ぬかと思った。

以下、並木がおかしくなった手紙の訳文を載せておく。

近日、出航することとなりました。このたび一服の掛物をさしあげます。どなたに差し上げるか迷いましたが、やはりあなた様にこそふさわしいものと存じます。どうか志としてお受け取りください。
 
かえらじと思えば兼ねて梓弓無き数にいる名おぞ留むる
彼(楠木正行)は戦場に向かい、四条畷で戦死し天下に名を挙げました。一方私といえば、今より南海に向かい、命を天に任せては名を流すばかりです。この命運はいかがなものでありましょうか。
六十年来の苦み、そしていまここに別れの時がやって参りました。先般来の御心づくしのお礼は、筆舌につくす事は出来ません。
恐れながら申し上げます。 

並木はこの手紙のせいで一生おかしくなっている。たすけてくれ。

細川忠興(ほそかわ ただおき)

1563年生まれ/1615年没
昔は検索すると「ヤンデレ」でサジェストされるようになったが、最近は「イケメン」と出るようになり並木は困惑している。
細川藤孝の長男。本人は不本意かもしれないけれど「細川ガラシャの夫」というポジションで一番有名かもしれない。最近だと「歌仙兼定の持ち主」としても有名です。本人がどう思ってるかは知らん。
信長に気に入られ頭角を現し、武功もさることながら茶道や能など芸術分野も明るく、武具などのデザインもこなすハイスペックさ……と思いきや、先述のサジェストの件にもあるように珠子への執着ともとれる言動(主に珠子を見ただけで庭師を斬り捨てるなど)が見られ、老年入ってからは「暴走老人」と書かれるほど無敵モードになった設定モリモリな状態に。一方で体は弱かったようでなんか史料みるとあっちゃこっちゃ悪くしている。病弱な美少年ってコト…?病弱だけどガッツはあるので82歳まで生き延び、晩年は「戦場が恋しい」と漏らすことも。とんだ美少年だ……
妻珠子は明智光秀の娘であるため、本能寺の変後は味土野に幽閉。(その間にも会ってはいたのでそのころ子どもが生まれたりもしている)
氏郷・右近とともに利休の高弟に数えられる。利休が秀吉と対立し切腹するに至った時も、利休を送りその子である道安を引き取っている(利休の連れ子の小庵は氏郷が引き取っている)
父藤孝がまだ幼い忠興を京に置き去りにしたというとんでもないエピソードがあるが、まだ並木がこの辺の話を書きこなせていない。
細川家は今回の三人の中で唯一家が現代もしっかり残っていて並木はいのちが助かっている。
元内閣総理大臣の細川護熙氏は細川家宗家の出身。また細川家の史料や美術品を扱う美術館「永青文庫」が東京都の目白にある。また熊本大学には永青文庫研究センターがあり、研究と展示が行われている。
そして先述の「右近がフィリピンに追放される際に、忠興に宛てた手紙」が今も永青文庫に残っており、最後に展示されたのが2016年。そろそろ出してくれんか。

並木の胡乱では、どの世代を書いても一生スレた青少年という趣。この中では唯一容貌を褒められがちなので顔はいい。顔は、いい(それ以外をぼかすのを諦めた顔)
氏郷に思慕を寄せ、しかしそれを言い出せないパターンが多め。右近との関係を唯一知っているということもあり、なかなか言い出せずイライラしている。一方でなんとなく氏郷と体だけの関係になっている荒れたパターンもある。
右近との関係はもう史実で「最期に右近が忠興に宛てた手紙」という爆弾みたいな話があるのでそれを引くことが多い。右近のことを好ましいと思いながらも、素直にそうだとは言わないし、でも態度は明らかに融和的なので右近は笑っている……みたいな感じになりがち。
なお氏郷が好きな忠興が八つ当たり的に右近を抱くという非常に暴力的な奴もずっと書いていました。今もたまに書きたくなる。右近も忠興も辛いBL。並木がJUNEや花の24年組でBLを履修しているのでそれがもろに出るとこうなる。

史実で「天下一気が短い」(対照的に氏郷は「天下一気が長い」とされた)と呼ばれているので、キレやすい一面もあるけれどそれは繊細さの裏返し。気難しさが祟って親族とトラブル起こしまくり。
そう言う細川家の話も盛り込みつつ明智光秀が死なない感じの字で書いてるエロ漫画小説「ひかりよ、とくかえれかし」という本も出しています。そちらもメインは光秀と忠興の話ではあるのですが、要素として氏郷右近要素があります。忠興は可哀想です。購入はこちら

ゆかりの地は多い。京都や福岡県中津市、熊本県八代市など。個人的に八代での暴走老人モードが好き。京都の大徳寺高桐院にお墓がある。

参考文献(という名のおすすめ入門書コーナー)

蒲生氏郷
網羅するならシリーズ織豊大名の研究「蒲生氏郷(谷哲也著)」か、読みなおす日本史シリーズの「蒲生氏郷」(今村義孝著)がおすすめ。
ただ、いずれも読みやすいものの結局信長の娘婿であるという立ち位置から、織田信長や豊臣秀吉の動きはざっくり把握しておいた方がいいかもしれない。
切支丹部分に着目するなら「近江が生んだ92万石の大名 蒲生飛騨守氏郷とキリスト教」(寺脇丕信著)もおすすめ。後述するラレウスの右近研究本も情熱的でびっくりする。
手に入りづらいかもしれないが、福島人物の歴史シリーズ「蒲生氏郷」(高橋富雄著)あたりは読みやすい。
意外と単体での書籍が少ないけど最近増えてはきている。

高山右近
人物叢書「高山右近(海老沢有道著)」がざっくり右近の生涯を読みたい人向け。逆言うと他の本は(特にドン・ボスコ社の刊行する右近本)はカトリックモリモリでネタにはなるけど謬説が多い。
謬説多くてもいい!という方には「高山右近に息吹かれ(山縣実著)」がい色な意味ですごい本。急に讃美歌の譜面が出てくるなどギョッとするが、情熱にあふれている。
ラレウスの「高山右近の研究と史料」は1章まるごと氏郷との話になっており、あまりにもネタの宝庫。また、右近は児童向け歴史漫画だとイケメンにされがちなのでそれを眺めるといいかもしれない。
おすすめは「キリシタン大名高山右近(青山むぎ著)」これが一番わかりやすい。並木的に右近の父友照の印象がこの漫画ぴったり過ぎてビビる。

細川忠興
忠興も実は単体での本は少なめです。その代わり妻ガラシャや茶人関係で取り上げられやすい。その中でも比較的読みやすくて全体を網羅できるのは「細川三斎 『天下一みぢかき人』の実像(福原透著)」人名索引付きなので便利。一応こちら茶人叢書というていですが、茶道わからなくても大丈夫。
より茶道に寄ると「利休随一の弟子三斎 細川忠興(矢部誠一郎著)」もおすすめ。
また、江戸時代に入ってからの忠興の様子が知りたい人はぜひ「江戸城の宮廷政治(山本博文著)」を読んでほしい。息子忠利との膨大なやりとりから忠興の気難しい性格がうかがえます。
漫画だと久山ちず先生の「かいこ」シリーズの細川家関係の本が電子で出ていてわかりやすくて大好きです。

全体をざっくり読みたい人は
全体的に茶人の枠組みでネタを攫いたい場合は、「利休の逸話(筒井紘一著)」「利休と戦国武将(加来耕三著)」「戦国武将と茶の湯(桑田忠親著)」あたりがおすすめ。「利休七哲」で調べると三人とも出てきやすい。
利休関係で探すと弟子のところで高弟として必ず細川忠興・蒲生氏郷は出てくる。また茶人の逸話なども調べていくと高確率で出てくるので、何かネタが欲しいな~という時はこの辺りを探していることが多い。
また、おすすめの美術館・博物館は先述の永青文庫のほかに町田の泰巖歴史美術館がおすすめ。

【ごあいさつ】
最後まで読んでいただきありがとうございます。並木満です。
イベントで登場人物紹介を作って配布している方がいたので、弊サークルでもやってみようと思い作ってみました。全然詰めの甘いものですが、何かの助けになれば幸いです。
なんだかんだこの三人にハマり散らかして結構な年月が経ちますが、今後もわけわからなくなっていきたい所存ですので、どうかよろしくお願いします。

2026年2月26日